1人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪いが、お前の相手をしている暇は無い。俺たちには、成し遂げなければならない目的がある。」
「意味分かんない。アンタらが私らの学校に迷惑かけたいみたいだから、私は止めに来たんだけど?」
そう言い終わる前に、ボス鬼(と思われる)が閃光弾を数発撃ってきた。
だがそれは、もはや私と『宵闇』の敵ではない。
宵闇の技の1つ、『十六夜』。広範囲、高スピードを誇る技だ。
基本的に、法術というのは、自分の法力を何かを媒介に自然現象として発動させるものだ。海斗の場合は呪符、理亜の場合は銃、そして私はこの妖刀『宵闇』だ。
「なるほど、少しはやるようだな、ならば俺も本気を出すとしよう。」
そう言うと、ボス鬼の周りに尋常ならざるダークエネルギーが放たれた。
「なるほどね、全面戦争ってわけか。」
先手を打とうと、私は走って突撃する。もちろん正面からではない。背後に回ると見せかけて、利き腕ではない左側からだ。
だが、宵闇の刃先がボス鬼の腕にたどり着く前に、私は数メートル吹っ飛ばされた。
「残念だが、お前は俺には勝てない。あの力は、今は使えないようだからな。」
セリフの後半の意味が分からないが、今は考えない。素殴りが効かないなら、法術を使うしかない。
だが、法術を使う前に、ボス鬼の拳は私の腹を捉えていた。
「がぁッ、」
そのまま後ろに吹っ飛ばされる。
「やっぱり人間の体は脆いな~。」
そう言いながらも、私に対して警戒を怠らないボス鬼。さすがの実戦経験者。
私は法術『星屑』を発動した。
無数の彗星が標的めがけて襲いかかる術。だが、ボス鬼はそれを目にも止まらぬ速さで回避していく。
「あー、これは、かなりやばそうだわ。」
最初のコメントを投稿しよう!