第1章 青鬼②

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「悪いが、お前の相手をしている暇は無い。俺たちには、成し遂げなければならない目的がある。」 「意味分かんない。アンタらが私らの学校に迷惑かけたいみたいだから、私は止めに来たんだけど?」 そう言い終わる前に、ボス鬼(と思われる)が閃光弾を数発撃ってきた。 だがそれは、もはや私と『宵闇』の敵ではない。 宵闇の技の1つ、『十六夜』。広範囲、高スピードを誇る技だ。 基本的に、法術というのは、自分の法力を何かを媒介に自然現象として発動させるものだ。海斗の場合は呪符、理亜の場合は銃、そして私はこの妖刀『宵闇』だ。 「なるほど、少しはやるようだな、ならば俺も本気を出すとしよう。」 そう言うと、ボス鬼の周りに尋常ならざるダークエネルギーが放たれた。 「なるほどね、全面戦争ってわけか。」 先手を打とうと、私は走って突撃する。もちろん正面からではない。背後に回ると見せかけて、利き腕ではない左側からだ。 だが、宵闇の刃先がボス鬼の腕にたどり着く前に、私は数メートル吹っ飛ばされた。 「残念だが、お前は俺には勝てない。あの力は、今は使えないようだからな。」 セリフの後半の意味が分からないが、今は考えない。素殴りが効かないなら、法術を使うしかない。 だが、法術を使う前に、ボス鬼の拳は私の腹を捉えていた。 「がぁッ、」 そのまま後ろに吹っ飛ばされる。 「やっぱり人間の体は脆いな~。」 そう言いながらも、私に対して警戒を怠らないボス鬼。さすがの実戦経験者。 私は法術『星屑』を発動した。 無数の彗星が標的めがけて襲いかかる術。だが、ボス鬼はそれを目にも止まらぬ速さで回避していく。 「あー、これは、かなりやばそうだわ。」
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