第1章 青鬼②

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唯一ダメージを与えられるとすれば、宵闇のもっと威力の高い技のみだ。 (一応あれなら出来るかも...。でも時間が...。) だが、もはや私に迷っている時間は無かった。まず、最後の体力を振り絞り、高速で動き回った。 ボス鬼に一瞬のスキが出来る。 鬼たちが考えていた作戦は、1番強い海斗に弱い奴らを大量に送りこむという作戦。海斗や理亜の応援は期待出来ない。私がやるしか...。 だが、ボス鬼の反応は恐ろしいほど速い。 (ヤバい...。間に合わない.....。) ボス鬼の攻撃が来るという、その瞬間、 ビュゥゥゥゥ...。 謎の大吹雪が、ボス鬼を襲う。 ボス鬼の、一瞬の硬直。それを私は逃さなかった。 宵闇超必殺『流星群』。基本は『星屑』の強化版だ。『星屑』と『流星群』では威力と速さのレベルが違うが。さすがのボス鬼でも避け切れず、命中してしまう。 そして、ボス鬼が倒れた。 あのボス鬼を硬直させた大吹雪が何だったのか、分かるのはもう少し先。 あの青鬼たちは、人間の住む場所に自分たちの領地を広げようとしていたらしい。人間と妖怪は、同じ地球に、居住地を完璧に分けて、お互い干渉しないように暮らしているが、時々こうやって人間の住む場所に来る妖怪がいるのだ。 「ハァ~、疲れた~。今回は人騒がせな連中が来たもんだね~。」 理亜がそう呟く。 「でも、理亜先輩の『電撃弾』見たかったです~。」 私がそう応答する。(なお、今は部室に理亜、美夜、海斗の3人しかいない。) 「それより美夜、お前、流星群でボス倒したんだって?」 「そうだよ?てか、海斗はどこで何やってたの?」 「悪かったな、始末に手間取っちまって。」 ちなみに、あの後青鬼たちは、海斗に封印されて2度と人間に干渉することが出来なくなった。 「何はともあれ、これで一件落着、かな。」 理亜がそう言う。 だが、次の仕事は、すぐそこまで迫っていたのだった...。 「ハァハァ...。」 彼は必死で逃げる。そう、彼を追ってくる、猫又の群れから。 「もうダメ、追いつかれる...。」 その時、彼はいい方法を思いついた。 彼は、人間の暮らす世界に紛れ込んだ。。。
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