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やたらと大きな桃型のチョコレートを片手に小春が迫って来る。
「や・・やめろ!!本当にやめてくれ!!」
「いいからいいからぁー」
「お・・おま・・死ぬ!死ぬ!」
まずい。これはまずい。どうにか彼女を止めなければ・・・
出会って数日、あえて言うまいとしていた言葉を言わざるを得ないか・・・
「私は・・猫だから!!チョコレートは毒だから!!!」
「え?」
ポカン、としている小春から退きつつ、私は諭すように説いた。
「私達猫にはチョコレートは毒なのだよ。詳しい理由はわからんが、人里に住む猫達には代々言い伝えられているのだ。『車とチョコには気を付けられたし』と・・・」
「・・・そうなの?」
「ああ、先猫達の残した生き抜く為の知識だ。私の後輩達の為にも、人間側にも広く認知していただきたい」
「わぁ・・・ごめんなさい・・」
落ち込んでしまった小春には悪いが、もうこの際聞いてしまおうか。
「なぁ・・・何故君は猫と喋れる?」
「え?あ・・本当だ。なんでだろね?」
「おお・・・今・・」
今日も小春日和だな・・・。
先輩はチョコが嫌い・END
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