第1章

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「何って…アンタに関係ないだろ。 彼が具合悪そうだったから、 肩を貸そうとしただけだ」 「具合悪そう……だと?」 (コイツ、 どういうつもりだ…) 「貴弘…いいよ」 「長谷川さん…だって」 「良いから」 「ホラ。 彼だって良いって言ってるじゃないか。 アンタはもう用済みなんだよ。 どっか行ってくれる?」 「なっ…」 (んだとっ) ヤツの言い様に完全にぶち切れた。 そんな取っかえ引っかえ相手を替えて楽しむ人種と長谷川さんを同じに扱われていることが何よりも許せない。 ズカズカと歩み寄ってヤツの腕を取ろうとした瞬間、 見えないほどの速さで長谷川さんの手が俺の腕を掴んでいた。
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