第1章

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(オイオイおっさん。 俺の恋人は怒らすと怖いぜ) 「あっ…あの野郎っ…って…え?」 エロオヤジの手が長谷川さんの腰に回り前の方を探ろうとした瞬間、 長谷川さんがオヤジの肘に関節技を掛ける寸前のところで反対側からきた男性が長谷川さんの腕を引いてオヤジから引き離していた。 オヤジがまだ何か言っているようだが、 その男性が背中に長谷川さんを隠し何やら言い返している。 (なんだ…アイツ) あのエロオヤジも腹立つが、 何気に長谷川さんを助けてくれたらしいサワヤカ君のほうがさらにムカツク。 確かに童顔で未だに学生に間違われるが、 今年27になる長谷川さんは充分大人の男性で、 そんな扱いを受けなくとも自分を守れる人だ。 それに、 守る時があるとしたら、 それは俺の役目であって、 あんなハタチそこそこの若造に許されて良いものではない。
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