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忘年会
雪がしんしんと降り積もっていく。
それなのに仕事納めの夜に会社の忘年会。
面倒臭い。
今年は近所の居酒屋。
堀炬燵の上に並べられた十八人分の皿達。
俺は既に座っていた彼女の、右隣の席へと腰を落とした。
黒渕眼鏡。
髪はいつも飾りっ気なく後ろに一つ縛り。
私服だって紺とか茶とか、そんなのばかり。
合コンなども誘われてはいるようだったが、行ったという話は聞いたことがない。
一言で言ったら、地味な女。
彼女はそんな女だ。
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