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「まさか直属の上司になるなんてさ、最悪だよ」
私も頷きながらビールを飲んでると、貴子が焼酎の緑茶割りを傾けた。
いくらここがお酒の持ち込みオッケーだからって、焼酎を持ち込みして緑茶割りを作らせるのは貴子ぐらいなもんだ。
肩より10センチ長い黒髪ストレートをシニヨンに纏め、仕事をそつなくこなし、人当たりもよく、清楚で真面目な印象の貴子。
総務から秘書課に異動したのは、おじ様方からの熱烈な要望があったからとも聞いている。
そんな貴子が実はもう6年も彼氏がおらず、どんどん親父化、干物化、あげくの果てに決して嵌ってはいけない腐女子の沼にドップリ浸っていることは、私と沙也しか知らない。
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