嵐の予感

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 長年親しんだ営業部を離れ、総務部への異動。  それはつまり、波留ワンコと机を並べて仕事をすることはない、  ってことで……  「原田先輩......離れても、僕のこと忘れないで下さいね」  いつもはキラキラと私を見つめるその瞳にウルウルと涙を溜め、上目遣いに私を見上げる波留ワンコに、キュンと胸がときめく。  「柚木、くん……」    思わず頭を撫でると、サラサラの綺麗な茶色の髪がふわりと揺れる。  女子顔負けツヤツヤうるうるな波留の唇が、瑞々しく私を誘う。 (あぁ、ダメ……会社、なのに。  そんな……)
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