誰にも黒歴史ってあるよねー

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「ゴホッ、ゴホッ」  黒澤さんのアルマーニの香水がムッと鼻につき、咳き込んだ。  涙目になってると、沙也が背後霊の手をバシッと払いのけてくれた。 「黒澤さん、邪魔しないでくれます?」  小柄で大きな黒眼に長い睫毛、栗色のふわふわボブに細くて華奢な、見た目も可愛い「ザ・女子」のくせして毒舌な沙也。  うーん、相変わらずおっとこ前でかっこいいわ。    けど、こんなことで引く黒澤さんじゃない……よね。 「池田ちゃぁん、久しぶり。  せっかく可愛いのに、そんな可愛げないことすんなよ」  出た! 苗字に『ちゃん』付け。  これ呼ばれて喜ぶ女子いないかんね?
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