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天界。そこは、天使と神々が住む場所。そんな天界の大天使が、神に反逆して堕天した。
「おはよぉー。」
天宮翼は、いつも通り教室に入る。そう、翼は、堕天使ルシファーなのだ。堕天したのに何故地獄ではなく人間界にいるのか。話せば長くなる。
「おはよぉー、翼。ごめーん今日の宿題見せてぇ~。」
翼に話しかけてきたのは、クラスメイトの鈴村美希。
「はいはい、この問題くらい自分でやって来なさいよ…。」
「ごめんごめん。」
と言ったふうに、いつも通りの何気ない会話が続く。
翼は、人間を装って生活している。だが、この生活は楽しい。天界に戻る気は無いし、当然、地獄に行こうとも思わない。
だが、この平穏な日々が、いつまでも続くわけではなかった。
キーンコーンカーンコーン...
チャイムが鳴る。担任が教室に入ってきた。
「突然なんだけど、今日から転校生がうちのクラスに入ってきます。」
ガラガラガラガラ...
「こんにちは、俺は片岡連っていいます。よろしくお願いします。」
翼はその転校生の顔をよく知っていた。
放課後。
「何しに来たの?ガブリエル。私はもう天使じゃないんだから、アンタらの制約受けないんだけど。」
そう、彼の正体は、大天使ガブリエルだったのだ。天界でルシファーの次に権力を持っていた四大天使。そのうちの一人だ。
「お前のような堕天使が人間界で暮らしていると聞いた。だから俺は監視をしに来ただけだ。」
睨み合う2人。
「そういえばさ、私人間界来る前に地獄に行ってきたんだけど、近々悪魔の連中が人間界に攻めてくるよ。」
「はあ?まじで?バカにしてんじゃないだろうな?」
「マジだって。」
そもそも、私は攻めてくるからここにいるわけだ。人間の魔術では悪魔には太刀打ち出来ないからな。
「だから、私は、一人の人間として、正式に天界へ協力を要請する。」
「はあ?堕天使の言うことなんて聞けるかよ。」
「言っておくけど、私が堕天した本当の理由、ミカエルは知ってるよ。」
ミカエルとは、ルシファーの反逆を止めた(ことになっている)四大天使の1人だ。
「ミカエルか...。じゃぁ、信じても良さそう、かな。」
「おーい、何やってんのー?部活行こー。」
「あ、美希!もう終わる~。じゃぁ、何かあったら連帯責任ね。」
翼はそう言い放った。
こうして、悪魔との戦いが始まる。
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