課長と宮島を歩きます

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 いつか浴衣を着て、自分と雅喜と、子供たちと、手をつないで歩きたいと願ったあの場所を。  雅喜もまたそれを思い出したのか、そっと手をつないでくる。  そのまま二人で歩き出した。  静かなせいか、シャッターが閉まっているせいか、声が反響する。 「なんだか夢みたいです、課長」 と言うと、雅喜は笑い、 「お前、いつまで課長って呼ぶつもりだ」 と言ってくる。  え、と真湖は赤くなる。
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