課長と宮島を歩きます

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  「わあ……」  真湖は小さく声を上げた。  夜の宮島はいろいろなところに灯りがともり、幻想的だった。  海岸沿いにずらりと並ぶ灯篭に火が入り、大鳥居も厳島神社もライトアップされている。 「素敵ですね」 と微笑んだが、なによりも真湖をときめかせたのは、夜の商店街だった。  店のシャッターはすべて閉まっているのに、提灯の灯りだけが、何処までも続いている。  前回は疲れていてすぐに寝てしまったので、夜の宮島を観光したのは初めてだった。  並ぶ提灯に、あの初めて二人で旅をした道後温泉を思い出していた。
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