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のぞみと希のShip's Log《航海日誌》
「あー。いーい天気だねー。」
「にゃー。」
ぼくの名前はマレシ。
一見
何の変哲もない白猫だけれど
こう見えて、齢450歳を超えるネコマタだ。
ほら。
しっぽの先っちょが、何気なくふたつに割れてるでしょ?
化け猫の証だ。
ちゃんと大妖怪なんだよー。
この辺じゃぁ、海の守り神として、崇められてもいるんだ。
っていうか
なんとなーく長生きしてたら知らない間に妖怪になっちゃっただけなので、あまりその自覚はないんだけどね。
人間の世界では遥か室町時代あたりから、ぼくはいろんな場所を転々としながら、放浪の旅をしてきた。
ひとっところに落ち着くのが嫌いなんだよ。
だいたい人間なんて汚いヤツばっかだし。
いちいち信じてたらバカを見るだけ。
永い年月で痛いほどに学んだよ。
とにかく僕は、どこに落ち着くことも、誰に心を預けるわけでもなく、あちこちを旅してずーっと探してるんだよね。
何をって?
ご主人様をだよ。
ぼくはご主人様との約束をずーっとずーっと守りつづけてるんだ。
彼女が遺した、最後の約束を。
あぁそうだね。とにかくこの子だ。
そんな中、彼女に出逢った。
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