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顔も瞳の色もぜんぜん違うんだけどなぁ。綺麗だけど。
「なぁにー? 私の顔ジロジロ見ちゃって。…なんかついてるー?」
ごしごしと手で顔を拭く彼女。
あぁぁ。その手が汚いんだってば。薄汚れた顔が余計に黒くなっちゃった。
もったいない。せっかくそんなに綺麗なのに。
「にゃぁにゃ!(顔を洗いなよ)」
「えー。お風呂は今夜入るもん。めんどくさーい。」
………いつも思ってたけど、猫語分かってんのかな…?
ぼくは当然、人間語は理解してるし、実は話せたりする。
なんだったら英語と呼ばれる外国語もしゃべれるんだ。
しゃべったら当然のように驚かれるし、大変な騒ぎになるので絶対にしゃべったりはしないけどね。
でも、驚いたことに
彼女はいつも、ぼくの言葉にちゃんとした返事をするんだよ。
今度一回ちゃんと聞いてみよう。
「お腹すいたねー。私、サンマ食べたい!」
「にゃにゃにゃにゃぁ?(瀬戸内じゃぁ釣れないからね?)」
「ふーんだ。はい。ヒットー♪」
「にゃにゃぁ?!(嘘でしょ?!)」
「アジでしたー。丸アジー。」
「にゃにゃぁ。(よかった。)」
「次こそサンマだー。お腹すいたー!えいっ!」
いや。どんだけ遠投しようとムリだよ。
フカセ仕掛けは合ってるとは思うけどさ。たぶん。
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