想い

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「俺も正直どんな父親になれるのか、心配だから。母親は毎日俺のことを『いらない子』だって言い続けてた」 「お義母さんも辛かったでしょうけれど、奏多さん、よく我慢して……」 「だからさ、自分がして欲しかったことを、子どもにしてやろうと思うんだ。子どもを育てながら、俺の子ども時代の記憶を塗り替えてようって」 「それ、すごくいいかも! この子達もちょうど男の子だし」 「うん。だけど俺も不安だよ。もし、母親のようになったらどうしようって」 そう打ち明けた時の奏多さんが、とても不安そうで、私は思わずぎゅっとハグした。 詳しい話はいまでもしてくれないけれど、以前聞いた『殺されそうになった』という話が忘れられないから。 病気がそうさせているのだとわかっていても、生みの母親にそうされて、どれだけ傷ついたことだろう。 だから、私はその記憶を上書きできる家族を作ろう。 「大丈夫。どんな奏多さんでも、どんな子どもでも、私の特別な家族だから」 私は強くなりたい。この人を、子ども達を、包み込めるように。
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