帰る

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翌日、鉛のような心と体を引きずって、無理やり学校へ行った。 ただでさえ行きたくない、連休はざまの月曜日だというのに。 昨日の電話の相手は、部活の友達、なるみからだった。あのあとすぐ妹から電話を取り返し、なるみへ掛け直したら、彼女は笑いながら部活の練習スケジュールが変更になったことを教えてくれた。 事情を知らないなるみはただ 「美冬にもあんなに可愛い妹がいたんだね~」 と、笑っていた。 多分、なるみは勘違いしているのだろう。妹の千春(ちはる)がまだ幼いのだと。 どうかお願い。そのまま、勘違いし続けていて。 そんなことを考えながらバスに揺られているうちに、見慣れた学校前のバス停に到着。 教室では、なるみが満面の笑みで私を待ち構えていた。
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