2人が本棚に入れています
本棚に追加
ベルフェゴールとほぼ同時に到着した。
「やぁだ~。ルシファー、堕天使のくせに人間に味方するのー?」
「私は人間の味方。天界の味方にも悪魔の味方にも、なったつもりは無いんだけど?」
「あらそう、じゃぁ、倒してもいいよね?」
「倒せるんならね。」
「ちょっと待ったあ!」
「「?」」
二人はいきなりの登場に思わず振り返る。
「翼は、堕天使だから人間界で無闇に魔力使うと天界から何か言われるよ。ここは、私が相手するから。」
そう言ったのは、美希であった。
「鈴村家は、白魔術をベースに日本独自の要素を取り入れた、『緑魔術』の名家。そして私は、鈴村家長女、鈴村美希よ!」
...なるほど、魔力があったから黒魔術にかからなかったのか。だが、勝てるのか?ベルフェゴールは決して弱い相手ではないが…。
「私がやるから、翼は、安心していいよ。」
ドゴォン!
緑魔術『地動術』が発動した。ベルフェゴールは一瞬足を取られる。だが、すぐに上に飛び上がった。
美希はすかさず次の術『雷撃』を発動。複数の雷がベルフェゴールを襲う。だが、間一髪でベルフェゴールは避けた。
「危ない危ない、あんた、強いね~。」
そう言いながら、ベルフェゴールは黒魔術『ブラックホール』を発動。美希の体が吸い寄せられる。
「きゃぁっ!」
だが、美希は『障壁』を発動し、なんとか異空間へ飛ばされずに済んだ。
その代わりに、ベルフェゴールの拳を食らってしまう。
「あーあ、終わっちゃった~。まあ、どれだけ強くても人間なんてこんなもんよね。」
そう言って嘲笑うベルフェゴール。
ドゴォン!
だが、美希はその間に『地動術』を発動し、ベルフェゴールの足を取っていた。
「おりゃぁ!」
美希はベルフェゴールに、強烈な拳をお見舞いする。
「いやぁー、効いた効いた、これはほんとに油断出来ないかもね。」
その頃、翼からの連絡を受け取った連が、現場に到着した。
「おい、これはどうなってるんだ?」
連は翼に問う。
「美希が堕天使の私の代わりにベルフェゴールと戦ってる。」
「ベルフェゴールと?それはやばいんじゃないか?」
「そう?私は美希が勝つと思うな。美希、まだ隠し球持ってるっぽいよ?」
最初のコメントを投稿しよう!