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タマ高に入学した当初から「タマ高タイムズ」は王子の話題で盛り上がっていた。
本人の許可を取っているのか甚だ疑問だが、王子の記事を出せば生徒は喜んだ。
だが、載った本人は嬉しいのだろうか。
「私は、無理だなぁ……」
全校生徒に、自分の綺麗なトコから汚いトコまで晒されるなんて、御免だ。
残念だが、この王子とのキャッキャウフフは諦めよう。
「……もしかして今「めんどくせー」って思った?」
顔を上げると、王子と目が合った。瞳に強い輝きを感じる。
「「王子と一緒なんてめんどくせー」って、思った?」
「めんどくせー」の言い方に、やたらと感情が込められている。
本当に面倒臭そうで、とても自然だ。
「面倒臭い気持ちがわかるなら、僕のお願いを聞いてほしい」
王子が近づいてくる。
「タマ高タイムズ」を持った私の手に、王子の大きな手が重なる。
素敵なフェイスが目前に迫る。
やば、鼻血出そう。
「君、僕の彼女になってくれ」
前言撤回しよう。
私は、この王子とのキャッキャウフフをしてみたい。
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