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ぜんぶぜんぶアイツのせい!
慶介は俺の幼なじみであり、この十六年間俺を虐げ続けてきた最低最悪の人間だ。
ケンカが強く、頭も良く、圧倒的なカリスマ的オーラを纏う奴は、どこに行っても王様でありみんなが彼に従うのは当然といった感じだった。
俺からすれば王様どころか魔王って感じだけれど。
幼なじみとあってか、昔から俺には当たりがきつく、嫌な掃除当番や役目を押しつけるのは当たり前、むしゃくしゃするという自分勝手以外の何ものでもない理不尽な理由で俺にプロレスの技をかけるわ、俺の人より少し控えめなマグナムをズボンから無理矢理引き出してあざ笑うわ、とにかくいろいろ最低な奴だ。
特に、というか地味に嫌なのは、毎日学校の登下校に荷物持ちをさせられることだ。
幼稚園の時からずっとだ。
こんな奴とは一秒でも早く距離を置きたいと、奴には内緒で遠い高校を受験したのだが、なぜか周囲にあれだけ口止めをしていたにも関わらず奴にばれてしまい、不幸にも同じ高校に進学することになった。
奴から逃れるために家から遠い高校に行くため一生懸命勉強したのに、それは皮肉にも、登下校の時間を、つまりは荷物持ちの時間を長くすることとなったのだ。
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