ぞくぞくお仲間登場!

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ぞくぞくお仲間登場!

「おいおいおいおい! 何、助けてんだよ!」 少し離れたところから、先ほどの薄情な男と思われる奴が目尻を吊り上げてこちらにやって来た。 男がドシドシと歩くたびに、ひとつに束ねた綺麗な金髪が背中で跳ねた。 「邪魔すんなよ! もう少しで金を払うって泣きついてくるって寸法だったのに!」 「……つくずく最低な奴だな」 黒髪の男が目を眇めて冷たい視線を向けた。 いや、全くもって本当に。 俺も共感して頷いた。 「うるせぇ! 世の中金だろうが!」 うわぁ……。マジで最低だコイツ……。 最低さに輪をかける台詞を平然と口にする男に、軽蔑の視線を向けていると、 「あはは~! アーロンの最低っぷりが炸裂だね~」 茂みからガサガサと音を立てながら、自分と同じ歳くらいか少し幼く見える少年が出てきた。 身長も同じくらいの黒目黒髪で親近感を一瞬覚えたが、焦点の合わない暗い瞳と、その下で不自然なほど陽気に笑みを吊り上げている口元になんとも言えない不気味さを感じた。 目が笑ってねぇ……! 笑っていない目をフォローするように大袈裟に笑う声がなんだか信用ならない感じがした。 「ふふふ、本当にアーロンは最低だね、チェルノ」     
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