私は

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「だから父様、私は極道にはなりませんっ!!真面目に学校に行って、真面目に働きます!!」 県の七割の土地をまとめあげる、ここらへんでは“柏葉の極み”と呼ばれる王者とも言えるヤクザ邸、柏葉家。 「凛、それくらいならまだ認めるがな、なんで第一志望が、…警察なんだっ?」 「父様や若頭などの、酒に酔った時の情けないあの姿をみているからです!!今に見ててくださいよ、柏葉家を縛り上げて見せます。」 彼女が言って良いのだろうか、一人娘の柏葉凛は、打倒柏葉家をきっぱりと言い放つ。 「凛~~頼むよ、考え直してくれないかっ」 こちらもこちらで、柏葉家の代表とは思えぬ弱気姿勢で凛に頭を下げる。 「嫌です。父様のせいですから、こんな事考えたのは。私は悪くないです」 私はそう言い、すがり付く情けない父親を尻目に部屋を出た。
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