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作業は数日に渡って続き、思いの外長引いた。
掘るのに適した道具がなかったこともそうだが、カヤリの目を盗んで手を抜く少年たちがいたからだ。
自分達ばかりがこんな重労働をする意味がわからない、女の子たちばかり楽な思いをしている、ずるい、こんな穴掘る意味なんかないのにーー
そう囁き合って、適当に働いているふりだけしている。
その行動は、ノイを不快にさせた。
しかし、ノイはそれを咎めなかった。
何故なら、カヤリはそれに気づいている様子なのだ、
にもかかわらず、注意しない。
カヤリが言わないのにノイが言う、それは立場が違うと思ったのだ。
それに、ノイが言うことで、まるでノイが言いつけているような空気になり、仲間はずれにされるのも怖かった。
ノイは、黙々と作業を続けた。
ノイたちの作業が終わる前に、一度大がかりな狩りが行われた。
当然、ノイは参加することができなかった。
その日は、カヤリも狩りに参加し、他の女がノイたちに指示を出した。
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