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ジャーメほどではなくても、老いたものもいる。
病のものもいる。
そういう者たち以外は、皆ジーアと遺体を運ぶ女たちの後ろからついていった。
ノイは、先頭を行くジーアとともに歩くことはできず、他の大人たちの後ろをついていった。
周囲を見回しても、リネの姿は見つけられなかった。
スエンもいなかった。
ノイがきょろきょろしていると、カヤリが声をかけてきた。
「リネを探しているのか。」
ノイが頷くと、カヤリも周囲を見回した。
「どこかにいるだろう。スエンは、私の代わりに残った。」
集落を空にするわけにはいかなかった。
残った弱いものたちを、誰かが守っていなければならない。
カヤリは、ジーアの右腕で、副長だ。
埋葬の儀式に参加する義務がある。
カヤリの横には、カイがいた。
この大きな犬は、相変わらずノイなど見向きもしなかった。
「ノイ。リネをどう思う。」
突然、カヤリに尋ねられて、ノイは狼狽えた。
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