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「ノイが、もっと元気になったら、いろいろなことを学んでもらう。」
女たちが縫っていた服作りも、生活に必要な石器作りも、皮のなめし方も、それこそ家の造り方も。
狩りにも連れていくと、ジーアは約束した。
「どうせ、子どもたちも十分な練習ができたら、順番に連れていくしな。そして、一人だちできるようになった男の子どもは、大人の男として群れの外に出す。女の子どもは、狩りが向いているか、残って細かい作業をする方がいいか、見極める。」
狩りにも才能がいる。
向き不向きがある。
少なくとも、女の子はその選択ができるし、そうやって個々に向いている作業に従事することで、群れ全体が維持されてきているのだ。
狩りに行かなくても、その狩りに必要な武器を作ったり、持ち帰った獲物を解体したりする作業を行えば、群れの一員として平等に食料が分け与えられる。
「ジーアは、何かを作り出すのに向いていない。しかし、食い物を獲ってくるのは、誰よりも上手い。だから、狩りに行く。」
そう言って、ジーアはにやりと笑った。
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