長老

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ノイは、拾われたときのジーアの狩りを見ていない。 果敢にマンモスの足元に飛び込んで膝を割り、腹をさばく、豪快豪胆というより怪力無双、強力豪腕な狩りの仕方を。 これはもう、生まれついて有する身体能力によるところが大きいのだろう。 さらに、そこに彼女なりの努力と胆力が加わっての、今のジーアなのだ。 「何か聞きたいことはあるか。」 もそもそと、時間をかけて肉を咀嚼しているノイに、ジーアが尋ねた。 聞きたいことはと言われれば、逆にありすぎて何から聞けばいいのかわからない。 とりあえず、ノイが聞いたことは。 「僕・・・本当にここにいていいの?」 一度見捨てられた記憶は、簡単に忘れられるものではない。 役に立たない自分だから捨てられても仕方ないという諦めはあっても、だからといって心が傷つかないわけでも痛まないわけでもない。 そんなノイは、一番の心配を口にしたとき、よほど情けない顔をしていたのだろう。 いきなり、ジーアの手がノイの頭を鷲掴みにした。
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