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炬燵は私を悩ませる
妻が炬燵に入っている。
私は、廊下は寒かったなぁ、などと呟きながら、炬燵の恩恵を受けようと居間の中心に歩き寄った。
妻は正方形の炬燵の、テレビを真正面に見据える辺に座椅子を使って陣取っている。座椅子の角度は最も起こした時から一段倒し、視線はテレビ画面へ向かって真っ直ぐに延びる。私が歩み寄ろうと、その強固な視線がそらされることはない。妻のドラマ視聴スタイルだ。
妻の左隣の辺に、布団を最小限めくり上げ足を差し入れた。
その瞬間、違和感が私を襲った。
炬燵の温かさとは、こんなにぬるいものだっただろうか。私が期待したのは熱いくらいの温かさだ。いや、この足は寒い廊下を歩いてきたのだ。刺すほどの熱を感じてもおかしくない。
まず可能性としてよぎったのは、設定温度だ。
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