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昨日のことで反省しなければいけないことは、副島さんを傷つけてしまったことだ。断るにしてもあの態度はなかった。
(放課後、謝りに行こう。搬出なんて遅れてもいい。ゆるしてもらえなくても、『改めて』なんてチャンスはもらえなくても、謝りに行こう)
ひとつ決心すると少しだけ胸の重しが軽くなった気がした。
たとえもう嫌われているとしても、彼女の為にできることはしたい。
今日もまた昼休みが始まった。即ち弁当の販売時間。これで営業活動までグズグズにしてしまったら副島さんを拒絶した意味さえなくなるのでがんばりたい。
昇降口前のスペースが学校から許可された戦場だ。
「はーい。すぐ準備できますんで、ちょっとまってくださいねー」
長机の脚を伸ばしながら、早速集まり出した生徒に声をかける。客入りは昨日と同じくらいのようだ。早く捌き切りたい。
そうしていよいよ準備が整い弁当をひとつ手に取ったところで、昨日の光景がフラッシュバックした。副島さんの赤面と、身勝手な自分の言葉。弁当を売る為に犠牲にしたもの。
「あ……えっと」
思考も体も固まって、焦れて机を叩く目の前の不満に対応できない。もしかするとこれからの人生、弁当をひとつ売るごとにこんな風になるんだろうか。
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