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沈黙。
そんな綺麗な瞳で見られたら
コトバなんて出てくるワケがない。
ビー玉みたいなキラキラした瞳が眩しくて俯いた。
「ケガ治ったんですか?」
やっとコトバを絞り出し呟く。
「ん。あぁ治ったよ。
心配してくれたんだ?
もう平気って病院で言われた。」と
心地いい声で話してくれた。
なのに
私は俯いたまま。
彼はきっと困っているだろう。
どうしよう。
彼は
赤い自転車に跨り沈黙を破った。
「ゴメン。気にしてくれてありがとう。もう大丈夫だから。」
とペダルを漕ごうとした。
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