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「私いなくなれば、きっともっとママとパパ、笑ってくれると思うんだよね! それで解決! トナカイ役がいいですか? 力つけとくべきだったかな」
「いや、そういう問題じゃない」
親に笑ってもらう為に、だと? いやいや、何を言っているか分からん。いや、最低な親だというのはわかっているけれども。
何か良い解決方法はないか……それなりに素敵で、この子供が納得して、サンタっぽく解決できる方法……。
最低な親だというのはわかったが、俺の今すべき事は、ここから脱出することだ。
それを最優先にした答えは無いだろうか。
何とも嬉しそうと言うべきか、今か今かと待ちわびる子供は、突然、何か閃いたように、着替え始めた。
子供は本当に、何をしだすかさっぱりわからん。
その光景をじっと見つめていると、上着そしてマフラーを巻き、背中にはリュックサックまで背負い始めた。
「何してんだよ」
「気が付かなくてすみません、準備待ってくれてたんですよね? はい! もういつでも出発できます!」
「は?」
「すぐに出発するぞって言う、ちんもくってやつですよね? ほんと、子供ですみません」
「何を言ってるんだよ!?」
子供らしくない話し方。
いや!
そんな問題じゃない!!
何だって!? 今すぐ!?
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