泥棒サンタ、誘拐する

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「だから俺はサンタじゃねぇ」 「ふぅん。それで、これからどうしますか?」 「……それはこっちのセリフだ! どうしたものか……」  一人なら、どこかの空き地で風避けしながら睡眠でも貪るが、子供にそんなことをさせる訳には行かない。ある意味人質だし……。  ったく。サンタのオヤジは、本当に罪作りだな。  何故何でも叶えてしまうんだよ。 「もうプレゼントは配り終わったのですか?」 「だから俺は……」  そうか、そういう事にしとけば、大人しくしててくれるか?  俺にしてはいい案だと思う……事は無いが……しっかりと頷いて見せた。 「そうだ。もう配り終わったから、今から寝る。ただし、サンタの国は遠いからな、野宿だ」 「ココでですか? 寒いじゃないですか」 「サンタは寒いの平気なんだよ」 「このバイク、乗ってみたいんですけど」  ったく。子供ってのは、コロコロと話題を変えやがる。あっちこっちと落ち着かない、だから子供は嫌いだ。どうして空気を読まない。
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