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オオカミとセンセー 3
「なぜ顔を赤くしてるんですか?」
進路指導室の机の向こう側にいる三島に言われて、ましろは我に返った。
「あ、赤くなってねぇし!」
「そうですか? では夕日の錯覚かもしれませんね」
三島の言う通り、彼の背後にある進路指導室の窓から差し込む夕日がましろの顔を照らしていた。
顔が赤いのは、三島との甘い出会いを思い出していたせいだけではないようだった。
ふいに三島が席を立ち、背後の窓へ向かうとブラインドを閉めた。
真っ赤な夕日でいっぱいだった進路指導室が急に薄暗くなり、ましろはなぜだか知らないが心臓がドキンとした。
「質問を変えましょうか」
三島が席に戻り、言った。
「なぜ君がバレンタインチョコ売り場にいたんです?」
「っ!」
三島の質問に、ましろは息が止まった。
「君がバレンタインチョコを受け取るというならまだ理解の範疇ですが、君がチョコを買いに行くというシチュエーションは人物像と符合しません。なぜですか?」
胸の鼓動がドキドキし始めたましろに構わず、三島がたたみかける。
ましろはそれを聞きながら、また「ギロチン、ギロチン、シュルシュルシュ……」と呟きそうになった。
「……」
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