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今まで、
色々な店で、
シェフ自慢の料理を味わい、
妻が丹精を込めたにせよ、
何時間もかけ、
高級な食材をふんだんに使用して「あなた素晴らしい料理が出来たわ」と差しだされて「うん。
最高の味だよ」と本心から褒めた料理でさえ、
到底足元に追いつかない味だ。
ずっと下を向いてドンブリ鉢だけに集中していたため、
食欲は満たされた。
が、
皆は、
いまだにドンブリ鉢になみなみと雑炊を入れ、
ピチャ、
ピチャ、
ピチャ、
ピチャ、
と四つに割れている真っ青な舌を器用に使い、
箸を使わずに食べている。
その光景を私は観察しながら、
奇怪だと思わず、
大いに感心をした。
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