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さて、
私は更にピッチを上げて、
もう既に漆黒となっていた坂道を登りきると、
残りの道は楽な平坦な道路にさしかかった。
トランクに常時載せている、
釣り道具入れから持ってきた夜釣り用LEDヘッドライトで前方を照らして、
マラソン選手以上のスピードで突っ走った。
正に、
私のスタミナは「超人的」である。
一時間も経たない頃には、
急な山を背にして、
寒そうに身を寄せ合うようにしてひっそりと佇んでいる十九の家々が、
もう間近に迫ってきている。
友人に携帯電話をかけたが、
「圏外」と表示されている。
こんな場所では当然だろう。
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