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仕事終わり、転がり込んできていたナナを部屋から追い出すと、排気ガスが僕の頬を撫でるように吹き抜けた。 いい夜明けだ。 寂しくて死んじゃいそうだというナナを抱きながら考えていたことは、今や無人の廃墟の地球もこんな気持ちなんだろうかということ。 いや、地球に気持ちはない。それにありもしない地球からの迎えに縋って生きてる僕の方がよっぽど寂しくて死んじゃいそうなヤツだ。 ナナも僕も一緒で、特別なんかじゃない。 ナナの故郷がコロニーの屋根越しに輝いている。 明けの明星、いい夜明けだ。 「モーニン、Moon,Milk,Overtrip。管制塔応答せよ。 …また混線か。どこの誰が聞いてるのか知らないけど、いい1日をね」
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