0人が本棚に入れています
本棚に追加
いや、まって、ちょっと待って
え?今日からあの人と同居ってこと??
いやいや、そんなの聞いてないんだけど
「えーっと、海斗君の席は・・・あぁ、美妃さんの隣が空いてるわね。そこに座りなさい。」
「分かりました」
先生・・・無視しなくたっていいのにぃぃ
隣に座った海斗はどこか緊張した表情をしながら私に話しかける
「えーっと・・・」
「・・・夜月美妃です」
「そっか。・・・その・・・今日から家とか一緒だけど、その、よろしくな、美妃」
あらたまって言うから私も素直にかえす
「うん、よろしくね。海斗」
そして先生は何事も無かったかのように授業をはじめた
今日からこの人と一緒に暮らすのか・・・
私はチラッと隣の席に座った海斗を見る
・・・横顔の海斗の目は他の男の人達と比べて、なんというか、志のようなものを感じた
じーっと私が眺めてると海斗がこちらに気づき、目が合う
あっ、やば・・・
「どうした?」
静かに優しく微笑みながら海斗は言う
「!?」
どうしてそんな笑い方をするのだろう
他の男の人達はもっと欲望みたいなものにまみれた笑い方をするのに
どうしてそんな純粋な笑い方をするのだろう
「・・・美妃?」
「ううん、なんでもないよ。気にしないで」
「・・・?そうか。」
海斗は・・・きっと・・・他の人達とは違う・・・
ちゃんと私を・・・しっかり見てくれる・・・
少しだけ、ほんの少しだけ、私の心の中に、何かが生まれた様な気がした
最初のコメントを投稿しよう!