第1章

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「あれ? もうそんな時間?」 「そろそろ開店時間だよ。 遠山君。 」 先ほどまで控え室で事務処理をしていたマスターがカウンターに入り開店前の最終チェックをしている。 「あ。 俺今日、 客です。 」 「了解。 」 マスターとの約束で、 アキとの『友達タイム』は開店前までとなっている。 店の扉にオープンの看板が掛けられると、 マスターが一番に「いらっしゃいませ」と丁寧に会釈してくれた。 「ジントニックください。 」 「かしこまりました。 」 マスターの切り替えに応じるように、 アキもまたピアニストの顔になって理央の元を離れた。 「なにか良いことでもあったのかい?」
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