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今日は、川で釣りをしていると
朋樹のスマホが鳴った。
沙耶ちゃんからの電話で
朋樹に別の仕事の依頼が入ったらしい。
沙耶ちゃん、というのは 一人で喫茶店をやっていて、彼女自身も店で霊視や占いをするが、
それ以外の仕事...今回みたいなやつとか、
霊関係のやつとかをオレらに回してくれる。
このキャンプ場の件にしても、沙耶ちゃん経由で
オレに話が回ってきたものだった。
朋樹が帰り、ひとり残ったオレは
いきなり退屈になった。
とりあえず釣った魚を焼き、バンガローでテレビ観ながら食って
なんかもの足りず、キャンプ場から段ボールで渡された即席麺などの食料を物色する。
...考えてみれば、いつ出るかわからんヤツが相手だ。こうして箱で食料渡してくるんだし
その時にオレも、長期戦の可能性が高いと わかっとくべきだったよな。
でもなぁ...
結構キャンプ生活も満喫したし、話し相手もいないと余計に時間を持て余す。仕事だし仕方ないけど。
軽くため息をついて、段ボールの中から缶コーヒーとチョコ菓子を手に取った。
テーブルについて、またテレビ観ながらチョコ菓子を食ってると、バンガローのドアがノックされた。
ああ...と思いながら立ち上がり
「はーい」とドアを開けると
立っていたのはやっぱり事務所のおっさんで
今日もコンビニの袋を持っている。
「ごくろうさまです」
おっさんはオレにコンビニの袋を差し出した。ここに来てから毎晩差し入れをくれる。
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