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からたちの花は 明るい日差しを受ける。 見上げると、雲ひとつない秋晴れの空だ。 榊は露と 広場の中央に走り 慣れないヒールで転びかけた。 「コーヒーは、明日の酔い醒ましだな」 また走る榊の後ろ姿を見ながら、オレが言うと 朋樹が「しょうがねぇよな」と 頷く。 草の上に あぐらをかき 浅黄が史月に捕まっている様子を見ながら 湯呑みに注がれた酒に口を付ける。 青空に、赤や黄色の木々が映える。 きっと夜には月の下に狐火も上がるだろう。 霧の中では、憂鬱だったが 秋の山も悪くない。 「泰河! 飲んでおるのか?」 榊が オレの湯呑みに、どぼどぼと 溢れるまで酒を注ぎ足す。 「おい! 待てって!」 広場には あちこちから笑い声が響く。 うん、悪くないな オレも笑って酒を飲んだ。 ********     「狐」 了      狐 小話 「竹取物語」 パロディ → 本編は 第二部「花の名前」に続きます。
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