Ⅰ 「あなた、何言ってんのw」

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長かった髪を切って 慣れ親しんだアメリカ・ケンブリッジの街を出て行く。 母の故郷である日本に5年ぶりに来日し、3年間高校生として勉強する。 その事を両親から聞かされたのは去年の冬休みだった。 当時、私は15歳。ハーバード大学の心理学部2年生だった。(飛び級制度を利用)卒業後は兄や父と同じく、FBIに所属しようと考えていた。 当初は私と両親との間で、激しい口論が繰り広げられた。 私にとって日本という国は、母の故郷であり、近くて遠い国。古い固定概念に囚われた我が国の庇護下にある国。 私のような「ハーフ」は日本人にとっては特異な存在でしかない。 故に私は、日本へ行くのを拒絶した。 恐れた。 だからといって私が日本に行かなくてもいいという理由にはならない。 この当時、このアメリカでは西東で大統領選における支持が分離、後に「西東大内戦」と伝えられる大規模な粉争が日々あちこちに発生した。 父や兄は警察と共に数多くの粉争を中断させ、多くの人を逮捕していたものの、 ある日の職務中に、父が流れ弾にあってしまう。 幸いにもかすり傷であったが、頭部であったが為に2週間程の検査入院をしなくてはならなかった。 その日を境に、両親と私は「日本への留学」の話をするようになった。
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