幸せの定義

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凄いもので、翌日には商品が届いていた。 簡易的に包装されたダンボールの中にはお目当ての商品が。 私は心踊ろさせながら封を開けた。 こんな気持ちは何年ぶりだろう。 小学生の時に誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントをもらった時のような気持ちだ。 逸る気持ちが我先にと追い越してしまうようで、ダンボールを強引に破いてしまっていた。 中に入っていたのはビン。 見た目はビンだが、皆様驚くことなかれ、なんとこのビンは貯金箱になっている。 ただし、お金を入れる穴はない。 これではどうしようもないではないかと思うであろうが、この貯金箱、自然とお金が貯まるのだ。 いや、この表現はあまり適切ではなかったかな…。 このビン型の貯金箱は持ち主の悪口を誰かが言うと100円玉がちゃりんと貯まるのだ。 要は私は何もせずに、誰かが私の悪口を言うだけでお金が貯まるという、某ネコ型ロボットもびっくりの品なのだ。 私自身テレビショッピングを見ていてこの説明を聞いた時には本当にびっくりしたが、嘘とも思えずつい買ってしまった。 「悪口型貯金箱…。」 テレビショッピングが言っていた。 見渡しても特になんてことないビンだ。 上の部分は回せば開く。 コーヒーなどが入っていそうなその程度の小瓶なのだ。 「本当に大丈夫だろうか。3500円の元ぐらいは取りたいな。」 私はテーブルにビンを置いて、タバコに火をつけた。 興奮状態も覚めてしまい、なんとなくで日曜の夕方を過ごしてしまっていた。
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