悲しきバレンタイン

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また2月14日がやってくる。 私は昔、生まれて初めて本気の恋をした。 彼はクラスの人気者、やさしく引っ込み思案の私にも話しかけてくれる。 解ってる私なんかが、彼と話したいとか夢見すぎだって、でも今日だけはいいでしょ? 『おはよ!はい、これチョコ!義理だけど(笑)』 女子からチョコを貰う彼。 『義理かよ(笑)でもありがとう後で食うわ』 バレンタイン当日、彼の周りはチョコで溢れている 頑張れ私…だけど結局渡せないまま。明日渡せばいいやと鞄にチョコを戻す。 翌日、何故か彼の姿がない…体調を崩したのかなと思い気にしていなかった。 しかし、次の日もまた次の日も来ない。 不安になり、先生に聞きに行く… 『先生、彼はどうしたんですか?』 …先生の口から思わぬ言葉が飛び出る 『彼はね、バレンタインの日に持ちきれないチョコを持っていたらしくて階段で足を滑らせたの、それでさっき病院から連絡があって、亡くなったわ沢山のチョコに囲まれてね』 思わぬ言葉に時間が止まったように感じた。 こんなことあるだろうか、初めて恋をした彼が亡くなった。 時がたち今、先生になんとか許可をとり。彼の家族に挨拶をしてから毎年バレンタインに彼のお墓にお参りに行く。 あの日もし、私もチョコを渡していたらどうなっていただろうか。 今思うと渡さなくて良かったと思う、彼はバレンタインに殺されたのだから………。
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