第4章 永遠の愛を信じますか?

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 駅前広場に着くと、テディベアのたくさんついた可愛いクリスマスツリーの下に、海里と薫花は立っていた。 「ママー」  薫花に呼ばれ、私は手を振って二人に近づいた。 「さ、帰ってケーキ食べよっか」 「わーい」  私の言葉をきっかけに、薫花は駅の改札口に向かって一目散に走り出した。 「日菜」海里に呼ばれ、 「ん?」私は振り返った。 「何かあった?」  こういう時、妙に海里は鋭い。元々女心に敏感というわけではなく、私のことをよく見てくれているのだと思う。 「ううん、何もないよ」  私は首を左右に振った。わざわざ話すほどのことではない。久しぶりに颯介の姿を見て、過去のトラウマが、ちらっと頭をよぎっただけだ。 「大丈夫。俺はずっと日菜の側にいるから、安心して」  海里はグイと私の肩を抱きよせ、耳元でそう言った。  強い日差しに雪が溶かされるように、胸の中にあった不安がすーっと消えていくのを感じた。 「あー、ずるい!薫花もー」  私たちがくっついているのを見て、薫花が急いで引き返してきた。 「はい、はい」  海里と私は薫花を真ん中に挟み、三人で仲良く手を繋いで帰った。  永遠の愛があるのかなんて、私には分からない。  でも信じて一歩踏み出さなければ、その答えを知ることはできない。  私は、今、ここにあるぬくもりを大切に、正直に生きていくだけだ。 --- END
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