第二歩目

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「柏木が苦手って言ったって、結城さんはお前のことすげー気にかけてるぞ。 お前がみんなの輪に全く入って来ないから。 仕事だけしていればいいって思ってんのかもしんねーけど、チームでやってんだからな。 みんなと仲良くしとかないとダメだって」 そんなこと言われても、全然気が乗らない。 飲み会とか、一番苦手なのに……。 「とにかく決定だから、金曜の夜は絶対に空けておけよ」 本村さんの言葉に、僕は大きなため息をついた。 ・ ・ ・ そうして迎えた歓迎会当日。 僕は自分の置かれた状況に困惑していた。 なんで僕の左隣に、結城さんが座ってるの? しかも僕の右側は壁で、奥に追いやられて全く逃げ場がないじゃないか。 本村さんは幹事だからってことで、入口に一番近い席にいてここからは遠いし。 目の前の席にいるのは、ほとんど話したこともないアシスタントの女の子だし。 これって、結城さんと話すしかない状況だよね。 まいったな。 どうしよう……。
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