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「突然俺にそんなことを言われて、ご両親はさぞ驚くだろうと思ったんだけど。
幸平さえ幸せなら、それが一番いいって言ってくれたんだ。
昔からあまり欲がなくて、いつも寂しそうな顔をしている幸平のことが、ひどく心配だったんだって。
でも……。
先月お前に電話したお母さんが、お前の声がいつになく元気だったから。
“あぁ、やっと幸平も自分の居場所を見つけたんだ”と思って、喜んでいたらしい。
結城さんがそばにいてくださったからなんですねって言われて、ちょっと恥ずかしかったよ」
そう言えば、そうだ。
龍矢さんと付き合って間もない頃、久しぶりに母から電話があった。
あの時に母さん、元気そうねってすごく喜んでくれたっけ。
それなのに、その数週間後に突然実家に帰ったから、さぞビックリしただろうな……。
「なぁ、幸平」
「はい?」
「俺、今回長い夏休みをもらっただろう?」
「あ、はい。そうですね」
第一課の中でも最長のお盆休みだった。
「あれってさ。
俺の両親やきょうだいにお前とのことを話して、わかってもらうためだったんだ……」
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