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「え……?」
うそ。
龍矢さんの家族に僕の話をするために、あんなに長い休みを取っていたの?
「結論から言うとさ……。
お前が決めたことならそれでいいって言われたんだ」
「そ、うなんですか……?」
龍矢さんは、うんと頷いた。
結論しか言わないということは、きっとそこに至るまでに色んな議論が交わされたんだろうな。
きついことも言われたかもしれない。
でも、それを僕に話さないところが、龍矢さんの優しさだよね。
「俺の家族も、幸平の家族も。
俺達が東京で一緒にいることに異論はないけど。
近所や親戚には、さすがに大っぴらには出来ないみたいだ。
じいちゃんには、地元の友達には絶対に黙っておけって念を押されたよ」
「そ、そうですよね。
変な噂が立ったら、龍矢さんのご家族の立場が悪くなりますもんね……」
「でもな、正月に幸平を連れておいでって言われたんだ。
ウチの母親が、得意料理を振るまってくれるらしい。
俺の母親って昔から俺のことを溺愛してたからさ。
いつか俺を嫁に取られるのが心底嫌だったんだって。
でも相手が幸平なら、息子がもう一人増えたみたいで嬉しいってさ。
俺の母親って、ちょっと変わってるよな」
そう言って龍矢さんは、クスクスと笑った。
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