第二十一歩目

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これから先もずっと。 ご近所や親戚の人から『息子さん、ご結婚は?』と尋ねられるたびに、両親にはつらい思いをさせないといけないし。 全てがオープンになるわけじゃないけど。 大切な家族に受け入れられただけで、本当にありがたい。 まさかこんな日が来るなんて、ついさっきまで思ってもみなかった。 「そう言えば、幸平のお母さんって料理がうまいよな」 「えっ! 龍矢さん、僕の母親の料理を食べたんですか?」 「幸平が出かけてるから、帰って来るまで家で待たせてもらってたんだけど。 待っている間に夕飯の時間になったから、一緒にどうぞって言われて」 「へ、へぇ……」 「メシ食った後は、みんなでゲームしたりして楽しかったんだけどさ。 それでも幸平が帰って来ないから、俺……少しイライラし始めたんだ。 男と出かけてるっていうのも、すげー気になってたし。 お前の弟が、 “兄ちゃんが今日一緒にいるヤツ、多分兄ちゃんのこと好きですよ” なんて言うから余計に……」 ブツブツ言いながら、頬を膨らます龍矢さん。 光輝は、氷室君の気持ちに気づいてたんだ。 僕は彼に言われるまで、全く気付いてなかったのに。 光輝って、色々と鋭いんだな……。
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