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これから先もずっと。
ご近所や親戚の人から『息子さん、ご結婚は?』と尋ねられるたびに、両親にはつらい思いをさせないといけないし。
全てがオープンになるわけじゃないけど。
大切な家族に受け入れられただけで、本当にありがたい。
まさかこんな日が来るなんて、ついさっきまで思ってもみなかった。
「そう言えば、幸平のお母さんって料理がうまいよな」
「えっ! 龍矢さん、僕の母親の料理を食べたんですか?」
「幸平が出かけてるから、帰って来るまで家で待たせてもらってたんだけど。
待っている間に夕飯の時間になったから、一緒にどうぞって言われて」
「へ、へぇ……」
「メシ食った後は、みんなでゲームしたりして楽しかったんだけどさ。
それでも幸平が帰って来ないから、俺……少しイライラし始めたんだ。
男と出かけてるっていうのも、すげー気になってたし。
お前の弟が、
“兄ちゃんが今日一緒にいるヤツ、多分兄ちゃんのこと好きですよ”
なんて言うから余計に……」
ブツブツ言いながら、頬を膨らます龍矢さん。
光輝は、氷室君の気持ちに気づいてたんだ。
僕は彼に言われるまで、全く気付いてなかったのに。
光輝って、色々と鋭いんだな……。
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