第二十一歩目

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幸平を待つ時間がすごく長く感じて、もうじっとしていられなくなって。 ご両親には、ちょっと外を見て来ますって言って家から出たんだ。 出てみたら、星がすげー綺麗で。 せっかくだから、星を見ながらブラブラと河原を歩くことにしたんだ。 散歩しながら考えるのは、幸平のことばかり。 お前がいつでも戻って来られるように、人事に掛け合ったり、お前の取引先に訪問したり。 お前の家族や俺の家族に、なんとか受け入れてはもらったけど。 肝心のお前が俺の元に戻って来なかったら、全てが台無しになってしまう。 そんなことにならないって信じたいけど。 しばらく会っていない間に、俺に対する幸平の気持ちに自信がなくなって来てたんだ。 早く幸平に会いたいのに、会うのが少し怖い。 そんなことを思いながら歩いていたら、小さなパーキングに一台の車が見えた。 よく目を凝らしてみたら、運転席と助手席に誰かが乗っているみたいだった。 もしかしてカップルか? 邪魔しちゃ悪いよなって思った次の瞬間。 車の中から、幸平の声が聞こえた気がしたんだ。 それも悲鳴に近いような声で。 まさか、車の中にいるのは幸平? そう思って車に向かって走り出したら。 お前が、俺の名前を呼んだんだ。 “助けて。 龍矢さん”って……。
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