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僕の腕の中で、僅かに震えている龍矢さん。
そんな彼をさらに強く抱きしめると、龍矢さんも僕の背中に両腕を回した。
「あー……、やっぱすげーホッとする……」
龍矢さんが、ため息混じりに言った。
「僕も、ホッとします……」
触れ合うだけでこんなにも心があったかくなるのは、龍矢さんが初めて……。
「幸平……。
俺ね、見た目ほど強くないんだよ。
ほんとは、すげー寂しがり屋……」
「そうなんですか……?」
龍矢さんは、僕の腕の中でコクンと頷いた。
「お前いないと、マジ生きていけない……」
少し掠れた声で言って、僕にぎゅっとしがみつく龍矢さん。
龍矢さんが僕に、こんな弱さを見せるなんて……。
僕は、両手で龍矢さんの綺麗な髪を優しく撫でた。
もう大丈夫ですと伝えるみたいに……。
しばらくそうしていたら、龍矢さんがせつなそうに僕を見上げた。
龍矢さんの瞳は、やっぱり潤んでいて。
そんな彼に、僕はゆっくりと顔を近づけて。
彼の唇に、静かに自分の唇を重ねた。
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