第二十一歩目

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僕の腕の中で、僅かに震えている龍矢さん。 そんな彼をさらに強く抱きしめると、龍矢さんも僕の背中に両腕を回した。 「あー……、やっぱすげーホッとする……」 龍矢さんが、ため息混じりに言った。 「僕も、ホッとします……」 触れ合うだけでこんなにも心があったかくなるのは、龍矢さんが初めて……。 「幸平……。 俺ね、見た目ほど強くないんだよ。 ほんとは、すげー寂しがり屋……」 「そうなんですか……?」 龍矢さんは、僕の腕の中でコクンと頷いた。 「お前いないと、マジ生きていけない……」 少し掠れた声で言って、僕にぎゅっとしがみつく龍矢さん。 龍矢さんが僕に、こんな弱さを見せるなんて……。 僕は、両手で龍矢さんの綺麗な髪を優しく撫でた。 もう大丈夫ですと伝えるみたいに……。 しばらくそうしていたら、龍矢さんがせつなそうに僕を見上げた。 龍矢さんの瞳は、やっぱり潤んでいて。 そんな彼に、僕はゆっくりと顔を近づけて。 彼の唇に、静かに自分の唇を重ねた。
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