第二十一歩目

15/15
前へ
/334ページ
次へ
龍矢さんが深く僕に入り込んで、何度も僕の身体を揺らす。 そのたびに僕は、あられもない声を上げた。 今日の龍矢さん、すごい……。 僕の全てを奪うような荒々しさなのに。 今までで一番、真っ直ぐに気持ちが伝わって来るんだ。 しばらく会っていなかったから? ううん、違う。 僕らはきっと自分達が思っていた以上に、相手を好きになっていたことを知ってしまったから……。 「幸平……」 僕の耳元で、せつなそうに僕を呼ぶ龍矢さん。 「愛してる……」 そう囁かれて、僕は思わず汗ばんだ龍矢さんの背中にぎゅっとしがみついた。 「僕も、愛しています……」 そう伝えたら、なぜだか涙がこぼれた。 身体中から思いが溢れて、もう止まってくれそうにない。 そんな僕に、龍矢さんは何度も何度も愛の言葉をくれた。 強く激しく、僕を抱きながら……。 「あぁっ、幸平……っ」 長い交わりの果てに、ついに登り詰める龍矢さん。 僕はそんな龍矢さんの大きな愛を、一滴もこぼさないように受け止めて。 そして……。 「た、つやさん……!」 時間差で、僕も龍矢さんへの愛を熱く解き放った。 あまりの快感に、僕らはなんだか動けなくて。 しばらく、そのままで抱き合っていた。
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2520人が本棚に入れています
本棚に追加