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謝ってもらう必要なんて、全然ないけれど。
正直なところ、僕がここにいてもいいのかなって不安になることはあった。
「そのことに気づいたから、アイツが座っていたソファーも。
アイツの写真を飾っていた本棚も。
アイツが触れたものは、全部捨てたんだ……」
チラリとキッチンを見てみれば、棚に置いてあった食器や冷蔵庫でさえもその姿を消していた。
「幸平、俺と一緒に暮らそう」
「え……?」
ビックリして、僕は思わず龍矢さんを見上げた。
「日当たりの悪い、あのマンションにはもう帰らなくていい。
だからって、この部屋に住むのでもなくて……。
二人で暮らすための、新しい部屋を探すんだ。
部屋が決まったら、一から家具を揃えよう。
二人で食事をするテーブル。
一緒に眠るベッド。
一緒に座るソファー。
食器や箸なんかの小さな物も、ひとつひとつ……。
二人で探そう」
これは、夢?
夢かもしれない。
だって、僕にこんな幸せな日が訪れるなんて……。
「幸平……」
「はい……」
そう返事をすると、急に真剣な顔になる龍矢さん。
僕は、ゴクリと喉を鳴らした。
「一生、俺のそばにいて欲しい。
だから……。
どうか俺と
結婚してください」
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